2015年12月31日、ASEAN共同体が正式に発足した。この共同体は、ASEAN政治・安全保障共同体(APSC)及びASEAN経済共同体(AEC)、ASEAN社会・文化共同体(ASCC)の3本柱で構成され、このうちAECが中核を担っている。ヒト・モノ・カネの更なる自由な移動が可能になった結果、ASEAN地域の経済活動が活性化され、さらなる経済成長が期待されるようになる。現時点でのASEAN加盟国は10か国を数え、ASEAN地域の6億人近い人口構成は若年層が中心である。加えて将来的な中間所得層の増加に伴ったさらなる消費活動拡大が期待されるところである。共同体の始動により、関税撤廃や税関手続きの簡素化により商品価格が下がることになり、労働者の移動が自由化されることで失業率も低下するメリットがあげられている。みずほ総研研究所のレポートによると、アジア新興国39では、1 日あたりの支出が 4-10 ドルの中位中間層は、2010 年の 7.5 億人から 2030 年までに 17.1 億人に拡大することが予想される(アジア開銀資料を用いて当社試算)。

ベトナムに関していえば、現在、日系企業もODAで参加している鉄道計画などインフラ投資にも熱が入っており、不動産に関してもディベロッパーによる建設ラッシュが相次いでいる。2020年の鉄道完成に伴う駅近の不動産購入に関しては、買い時である。現段階ではバイクが主要の移動手段であるベトナム人にとっては電車の重要性、そして当然、駅近のメリットがそこまで浸透していないということもある。例えば、不動産市場がベトナムの数倍となっているタイでは、現在バンコク・スカイトレイン(BTS)が交通手段として多く利用されるようになっているが、鉄道の完成当初、タイの人々の主要な移動手段は自転車やトゥクトゥクであり、鉄道完成後も数年は人々に受け入れられなかったのである。それを考慮に入れれば、今後ベトナムでもメトロ1号線が完成し、現地の人々が鉄道の利便性を認識すれば、駅周辺の不動産物件の価格が上昇するのは必須である。そういった点も踏まえ、外国人投資家の期待感はますます高まっていくであろう。

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